AdipoSeedsは、ドナーから提供を受けたヒト皮下脂肪組織から分離したASC(脂肪由来間葉系幹細胞を含む間質細胞群、Adipose-derived Mesenchymal Stem Cell)から、ASCの欠点を克服するため、独自技術により精製・株化して樹立された間葉系幹細胞株ASCL(Adipose-derived Mesenchymal Stem Cell Line)を、ASCL-PLCに分化誘導するという技術を基盤としております。
当社の創設者であり取締役CSOの松原由美子らは、長年の血小板に係る研究を通じて、ASCが非造血細胞でありながら血小板への分化能を有することを世界で初めて発見し、そのメカニズムを解明しました。この発見は、ASCをスタート細胞として外来遺伝子を導入することなく簡便な培養方法によって血小板作製が可能であることを示しており、安全で医療応用可能な血小板を低いコストで作製できる科学的根拠となっております。
当社では、これらの技術を基盤として、①ASCL-PLC及びASCLの2種類の細胞を再生医療等製品として、医療応用することを目指しており開発する事業(再生医療等製品開発事業)と②血小板を用いた組織修復の治療法の一つであるPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)療法向けの事業(PRP事業)という2つの事業を展開しております。
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再生医療等製品開発事業
ASCL-PLC及びASCLを、他家再生医療等製品として、医薬品医療機器法の製造販売承認を取得することを目指して開発を実施しております。
ヒト脂肪細胞由来血小板様細胞
間葉系幹細胞の性質を引き継いだ血小板様細胞であり、血小板が持つ止血機能に加えて、組織修復・再生機能を促進する能力が末梢血の血小板よりも高いとのデータが得られております。
開発中のパイプライン
パイプライン
ADS-01
難治性皮膚潰瘍
ADS-02
輸血用血小板
肝障害
変形性膝関節症
その他
細胞
ASCL-PLC
ASCL-PLC
ASCL
ASCL
ASCL
ASCL-PLC
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PRP事業
PRP事業については、2024年度より慶應義塾大学病院の自費診療部門で実施するPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)治療向けの技術支援を開始しております。PRP療法は、血小板の有する組織修復能に基づき開発され、自分の血液から血小板を抽出して、患部に注入する治療です。
血小板に含まれる
成長因子(サイトカイン)とその働き
PDGF
血小板由来成長因子
線維芽細胞・血管平滑筋細胞等増殖促進
、組織修復
TGF-β
トランスフォーミング成長因子-β
細胞の増殖・分化制御
、アポトーシス促進、炎症・免疫機能調整
bFGF
塩基性線維芽細胞成長因子
間葉系幹細胞促進
、神経細胞保護、組織修復
VEGF
血管内皮細胞成長因子
血管内皮細胞増殖
、管腔形成