Cell Transplantationに、当社の基盤技術を用いて製造されたヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞株(ASCL)のラットにおける変形性膝関節症の治療効果に関する論文が掲載されました
当社の基盤技術を用いて製造されたヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞株(ASCL)のラットにおける変形性膝関節症の治療効果に関する論文が が、Cell Transplantationに掲載されました。“Intraarticular injection of adipose-derived mesenchymal stem cell line attenuates pain, synovitis, and cartilage degeneration in monoiodoacetate-induced osteoarthritis rat model”というタイトルの同論文において、ASCLの関節内投与により、滑膜炎及び関節軟骨破壊の改善、ならびに鎮痛作用等が示されました。
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/09636897251341781
変形性膝関節症は、関節軟骨や靭帯などの膝関節成分の変性疾患であり、高齢の方に多くみられており、患者数は世界で約3億人と推定されています。また、病状が重症化すると、日常生活動作や生活の質の低下につながります。このため、変形性膝関節症の早期治療は、高齢の方の健康維持・向上の観点から喫緊の課題となっております。
また、変形性膝関節症の治療にあたっては、治療を受けれる方本人から、脂肪組織を採取し、そこから得られた脂肪組織由来間葉系幹細胞を関節に注射投与する治療方法が既に医療応用されておりますが、治療効果は個人の細胞の品質に依存する傾向が強く、得られる治療効果のばらつきが大きいことが課題となっております。さらに、治療を受けれる方本人から脂肪を採取するにあたっての身体的負担が大きいことも課題の一つとなっております。
当社は、第三者から提供された脂肪組織を用いて、大量に製造することが可能なASCLを再生医療等製品として、開発することを目指しております。さらに、ASCLは品質の均一性が高いという特徴を有していることから、その医療応用は、変形性膝関節症向けに治療効果が高く、かつ、Off The Shelfで使用できるなど利便性の高い製品を提供することに貢献できるものと考えております。