ヒト脂肪組織由来血小板様細胞の製造技術を、イヌの血小板減少性疾患の治療に応用するための共同研究を麻布大学と開始
AdipoSeedsでは、麻布大学(研究責任者:獣医学部 久末 正晴 教授)との間で共同研究契約を締結し、イヌの脂肪組織に由来する血小板様細胞の作製に関する共同研究を開始しました。
イヌにおいて、免疫介在性血小板減少症を含む血小板減少性疾患は多発しており、重篤化した場合には、血小板輸血が不可欠となっております。しかしながら、獣医療現場においては、血小板製剤の保存期間の短さや輸血インフラの未整備といった構造的課題が依然として存在し、安定した供給は困難となっております。
AdipoSeedsは、「脂肪から血小板をつくり、新しい血液の流れを創る」をミッションとして掲げており、主に廃棄予定のヒト脂肪組織から安全で医療応用可能な血小板製剤を低コストで供給し、今後の少子高齢化社会において、世界的に加速する血小板不足という課題の解決に貢献し、血小板の関わる治療行為をより安価に安全に提供できる未来を創り出すことを目指しております。
ヒト脂肪組織から血小板様細胞を製造する技術を確立しており、ヒトの難治性皮膚潰瘍治療を対象とした臨床研究を慶應義塾大学病院で実施し、ヒトに投与された実績があります。さらに、難治性皮膚潰瘍を対象とした国内における企業治験を2025年内を目標に開始する予定であります。
麻布大学との共同研究におきましては、AdipoSeedsがヒトで確立した脂肪組織由来血小板様細胞を製造する技術を、イヌに応用し、獣医療現場における血小板製剤の不足を解消することを目指しております。
なお、当該共同研究の概要につきましては、2025年9月3日~6日に開催される日本獣医学会学術集会において、麻布大学・小動物内科学研究室 松井美咲様らより「イヌ脂肪由来間葉系幹細胞からの巨核球様細胞への誘導」の題目で口頭発表がなされる予定であります。
イヌの間葉系幹細胞から、巨核球への分化誘導はこれまで前例のない世界初の報告となり、 未来の獣医療における輸血供給の発展に貢献するものと見込まれております。